大和の冒険 第一話 サーマの旅

【今昔物語集外伝 大和の冒険 第一話 サーマの旅】をYouTubeにアップしました。

YouTubeへアップしている内容は、YouTubeのガイドラインに沿った作風にするため若干表面を和らげています。

原作は動画の下に公開しておりますのでどうぞご覧ください。

また、紙芝居の舞台イベントなども受け付けています。一人でも多くの方に今昔物語を知って頂けたら幸いです。

第一話 サーマの旅 原作

今昔物語集外伝 大和の冒険

今は昔、少年大和はインドのお釈迦様が生まれたカピラエ城の廣間におりつきました。日本を離れる時に絶対に口をきいてはならないという約束で、大昔のインドから旅に出た最初の場面です。大和はサーマという青年のそばにおりました。会議では隣の国のルリ王がせめて来ているのに、カピラエ城ではお釈迦様の教えで戦争をしてはいけない、どうするかともめています。サーマが立ち上がり、

「このままで殺されるより、いっそ戦争をしませんか」 「サーマよ、釈迦族は絶対に戦争をしてはならない。そんなことをすればお前は釈迦族から追放だぞ

城の中へルリ王の大群がなだれ込んできました。

「ウオーン、ウオーン!」

凶暴な象を使って逃げ惑う人々を踏みつぶし、城に火をつけ、とても残酷な殺し方をします。

逆らえない釈迦族のカピラエ城はとうとう滅びてしまいました。

サーマと大和は命からがらカピラエ城から逃げ出してジャングルの中をさまよっているうちに小高い丘に出ました。

丘の上には一羽の大きな鳥がいるではありませんか。

「おう!ずいぶん大きな鳥だね、乗ってみようか」

サーマと大和が乗ると、鳥はバサリと羽を広げて空高く舞い上がりました。

「わあーすごいね、どこへ行くのかしら」

鳥はジャングルや荒野を越えて悠々と飛んでいきます。

やがて高い山の上にある湖のそばにサーマ達を下ろしてどこかへ飛び去って行きました。

「疲れたね、ちょっとお昼寝でもするか」

二人が眠り込んだ頃、湖の中から一匹の竜が出て来て、眠っているサーマ達を見つけると、

「あら、素敵なお方だわ、では私も人間の姿をしましょう」

クルリと宙返りして若くて美しい姫になりました。

目がさめたサーマは姫を見てすっかり好きになりました。

「こんな山奥で、あなたはどなたですか?うつくしすぎる!きっと尊いお方ですね」

「私はこの湖に住む竜王の娘です。卑しい竜の姿は恥ずかしいので、仮に人間の姿になりましたの」

「そうですか、じつは私も滅びた釈迦族の卑しい旅人です。お釈迦様に、あなたを本当の人間になれるよう祈ってみましょう」サーマが祈るとあら不思議。あっという間に姫は本物の人間になってしまいました。

「父の竜王があなたにお礼をしたいと申します」

龍王と姫に手を引かれて二人は水底の竜宮城へとどんどん引き込まれていきます。

大和は竜王の強い指の力が痛いのですが口をきいてはいけないのでじっと我慢をしていました。

湖の底にはきらびやかな宮殿が立ち並び、大変なご馳走と歌や踊りで大歓迎です。その時大和はふと外を見て、ぎょっとしました。薄暗い湖の底に何千何万という蛇や龍がうごめいているではありませんか。本当に気味が悪いのです。もう一度まばたきするとそれは消えて豪華な宮殿でした。

竜王はサーマに

「姫と結婚したら竜の王様にしてあげます。数えきれないほどの宝物もあります。この湖の宮殿で暮らしてはどうですか」

「竜王様、有難うございます、しかし私は人間社会で王様になりたいのです」

「人間社会の王様に?うん、それもいい。ではお守りにこの魔法の刀を持って行きなさい。チャンスが来たらこの刀で相手を殺して王様になるのだ」

「有難うございます。必ず王様になって、お姫様を迎えに参ります」

二人は二匹の竜に乗せられて空高く飛んでいきます。湖のほとりでは竜の娘が手を振っています。

「必ず迎えに来るから待っていてくれよ」

二匹の龍は湖から遠く離れたところの、人里が見える場所に二人を下ろして飛び去ってゆきました。 さあ、これからサーマと大和の王様になる旅が始まります。いろいろな出来事に出会って不思議な旅を続けて行くのです。本当に王様になれるのでしょうか。続きは次のお楽しみに・・・

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